会長挨拶

大変に僭越ではございますが、2023年1月より2期目の会長を務めさせていただく立命館大学生命科学部の稲田康宏です。太田俊明先生、渡辺巌先生、野村昌治先生、朝倉清高先生、横山利彦先生の後を引き継ぎ、先代までのお力には到底及びませんが、引き続きXAFS分光法に関連する科学技術の発展に尽くしたいと考えております。よろしくお願い申し上げます。

日本XAFS研究会の基本方針としまして、近年では変わらず、主に以下の4項目の活動を行っております。

  • XAFS討論会の毎年開催
  • 若手育成を主眼とするXAFS夏の学校などの諸企画の実施
  • 新光源計画等への提言などを通した積極的支援
  • XAFS研究に係る教育・学術研究・産業応用の推進への協力

コロナ禍を克服する兆しが見えてきた2022年度のXAFS討論会は、小林英一先生(実行委員長)を中心として、ハイブリッド形式で佐賀市において開催されました。2023年度には、折笠有基先生(実行委員長)を中心に立命館大学での開催を予定しております。会員の皆様におかれましては、積極的なご参加をお願い申し上げます。

2022年度のXAFS夏の学校は阿部仁先生を中心としてKEKにおいて対面形式で開催され、2023年度には鈴木真粧子先生にお世話いただく予定としています。その他に、オンラインXAFS勉強会とGlobal XAS Journal Club from Europa and Asia-Oceaniaなど、オンラインでの講演会企画も継続的に開催しており、会員間交流の場として活用いただきたいと思います。XAFSに関する和文教科書「XAFSの基礎と応用」の改訂、XAFSデータベースの構築、研究発信に関する学生支援など、これまでの活動をベースに確実に企画・実施し、研究・教育の支援になるよう検討して参ります。会員の皆様からも、忌憚のない意見や新企画への要望などをお寄せいただけましたら幸いです。

いよいよ次世代放射光施設NanoTerasuの運用まであと僅かになってきました。新しい光を用いたXAFS分光法が広範な科学分野で活用され、新しいサイエンスを切り拓くことが期待されます。XAFS分光法が身近で扱いやすい手法となるよう、また、現にXAFS分光法を研究に活用されている方々が日本XAFS研究会にさらに関わりを持っていただけるよう、取り組んで参ります。そのためにも、会員の皆様のご支援は不可欠です。これから2年間のご協力、どうかよろしくお願いいたします。

2023年1月5日 稲田康宏